「最強のふたり」超最高でした★★★★★
記事のタイトルで言いたい事、終わってるんですけど。
「最強のふたり」をレンタルして観ました。
この映画、最高です。傑作でした。
上映中から凄く評判が良く、ずっと観たかったのですが、本当に観て良かった。
観ていない人には、是非観て欲しいです。
観終わって、清々しく、穏やかな気持ちになりました。
フランス映画なめてました。
もっとジメジメした印象を持ってた。
映画のタイトルの最強のふたりっていうのは、もちろん主人公2人の事です。
貧民街のスラムに暮らす黒人のドリスと、頸椎を損傷して首から下が一切動かない富豪のフィリップ。
一見正反対に見える2人なんですけど、やがてお互い心から信頼しあい、友情を育んでいくわけです。
2人は正反対に見えて、実は共通点があるんです。
それは、心の深い部分に「孤独」を抱えているという事。
ドリスは大家族で貧民街に暮らしています。
ですが、実はドリスだけが本当の子供ではないことが中盤で明かされるんですね。
しかも育ての親からは早々に勘当されてしまう。
周りからは差別の目で見られ、強盗の前科もあります。
フィリップは大富豪なのですが、最愛の妻を亡くし、養子にとった娘ともうまくいっていません。
周りの人間は彼の障碍に気を遣い、腫物に触るような扱いをするか、財産目当てで近づいてくる人間ばかり。
心から信頼できる相手がいないわけです。
そんな2人ですが、ドリスはフィリップに全く気を遣いません。フィリップもドリスを差別するような事は一切ない。
お互いを全く対等に扱い、信頼し合っていくわけです。
この友情の描き方が、とても丁寧で押しつけがましくなく、すごく自然で素敵な感じなんですよね。
全体的にコミカルなんですが、要所要所で見えるお互いへの信頼の深さにはジーンと来るものがあります。
また、2人は信頼しあっているだけではなく、お互いにすごくいい影響を与え合ってるんですよ。
序盤は働く気などハナからなく(というより諦めていた?)、失業保険目当てでフィリップの介護の面接を受けに来たドリスですが、
終盤では本気で就職活動をしていて、ずっと無免許で車を運転していたはずなのが、免許を取得していた事がわかります。
芸術にも一切興味がなかったかと思えば絵画にも造形を深めていたり、
以前はフィリップ邸の前に駐車していた車の運転手に対する態度が変わっている事からも、粗暴ではなくなっている事がわかるわけです。
もともと明るかった彼ですが、フィリップ邸で過ごしてからは本当の前向きさを持ったように思います。
フィリップも、彼についたヘルパーが1週間もしないうちにみんな辞めてしまうというエピソードからしても、
周りの人間に心を許さず、つらく当たっていた事が伺えます。
しかし、彼もドリスと出会い、マリファナを覚え、車イスを高速で走るように改造し、性感マッサージにも・・って、ドリスはロクな事を教えないんですが(笑)
ただ、新しい世界に触れるたびにとても楽しそうに笑い、心を開いているのが一目でわかるんですよ。
2人でオペラを見に行っても、大声で笑って周りの大迷惑なドリスを追い出すわけでもなく、一緒に笑ってしまう。
心の底から笑いあえる悪友を得た感じでしょうか。
お互いがお互いを救い、信頼しあう2人を見ていて、こっちもとにかく幸せな感動を味わえるんですよね。
なにしろ、この2人の俳優さんがとにかくいい笑顔なんですよ。
特にフィリップ役の俳優さんの、ニヤーっていう笑顔が本当にいい!
本当に楽しそう、幸せそうなんです。
久しぶりに、見終わったあとに本当にいい映画だったなあ・・・
と余韻に浸ってしまいました。
ちなみに、さっそくハリウッドでリメイクされるようですね。
これだけが余計かもしれません(笑)。
あの2人の笑顔はリメイクでは見ることができませんからね。
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- 発売日: 2013/03/22
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