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ゾンビ映画で主人公がTシャツ着てるのが納得いかない

だって噛まれたらゾンビになるんですよ。プロテクトしろよやる気あんのか

「鈴木先生」を読んでの感想

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

4月30日までiPhoneアプリで、前々から気になってた「鈴木先生」が全巻無料(!)だったんで、早速読んだんですよ。

 

で、全巻夢中で読んで、TSUTAYAで外伝を借りてきてこれも速効で読みました。

 

この作品はなんというか・・感想に困りますね。

 

面白い。それだけは間違いないです。

 

ただ、万人にお勧めできるかというと難しい。

難しいんですけど、みんなに読んで欲しい。

 

面白いから読んで!

という事ではなくて、この作品の中で鈴木先生や生徒達が抱えている葛藤、物事の捉え方、感じ方に触れて欲しいって思うんですよね。

 

ちなみに鈴木先生は中学教師です。担当は2年生。

中二病という言葉が定着しましたが、まさに思春期真っただ中の子供たちを教えているわけです。

 

次々と生徒に降りかかる問題を鈴木先生はどのように解決していくのか?

・・・という話なんですが、この「問題」というのが、想像していたものと違うんです。

 

鈴木先生GTOみたいに、チンピラが襲ってきてグシャッみたいな展開はありません。

 

例えば、給食に定期的に出るメニューの「酢豚」。

この酢豚が生徒に不人気で、いつも大量にあまってしまうという理由で、メニューからはずされる事になります。

しかし、酢豚が好きで楽しみにしている生徒がいる。

 

そんな簡単に酢豚をメニューから消してしまっていいのか?!

クラスや学年、職員までをも巻き込んで、滅茶苦茶真剣に考えたりするわけです。

GTOで酢豚扱いますか?

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鈴木先生の素晴らしい所は、何よりもまず、生徒の事を同じ人間としてあくまで対等に接しようとする所。頭ごなしに言う事を聞かせようなどとは決してしません。

生徒もそれを分かっていて、鈴木先生に信頼を寄せるわけです。

 

しかし、生徒の前では人間として完璧かに見える鈴木先生ですが、生徒の見えない所では苦悶し、自問自答を繰り返す姿が描かれる。

時には生徒に「特別な感情」を抱いてしまい、もがき苦しんだりもするのです。

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つまり、鈴木先生も「普通の人間」なわけです。

「鈴木」という名字も、もしかしたらそこを意識してつけられたのかもしれません

 

ただ、何が正しいか、どうするのが一番いいのかという問いに対して、既成の概念で安直に答えを出すという事を決してしない。

 

物事の本質とは何かを常に問い続けているという点が、他の教師とは違うわけです。

 

 

例えば中学生同士のセックスをどう扱うべきなのか?

学校としては、当然認めるわけにもいきません。

しかし、学校で避妊を教えているという事は、避妊さえすればセックスをしてもいいと認めている事になるじゃないか!

生徒はそう主張するわけです。

 

鈴木先生はその問いかけにどう答えるのか?

 

なぜ大人同士のセックスはよくて、子供はダメなのか?

何歳からが大人で、何歳までが子供なのか?

 

鈴木先生は、責任が取れないからダメ、などとは決して言わないわけです。

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しかし、ここで結論を書く事に意味はありません。

 

この作品は、問いに対する答えがなんなのか?ではなく、どう考えるか?どのような視点を大切にするか?そちらの方が大切だと思えるんです。

 

 

なので、とにかく字が多い!

これより字が多い漫画は名探偵コナンくらいしか思い浮かびません。

 

そして、字も多いですが、絵の迫力も凄い。尋常じゃない勢いです。

会話をしているだけなんですけどね・・笑

 

 

ストーリーの中盤に一つのクライマックスがあります。

なんと、鈴木先生が結婚前に恋人を妊娠させてしまうのです!!!

 

これは生徒にはショックです。

 

しかし、もちろんこの作品ですから、「教師が出来ちゃった結婚なんて!」という安直な結論にはなりません。なんと、鈴木先生が恋人を結婚前に妊娠させた事に対して、クラスで討論会が開かれるわけです。

 

これはすごい。

 

金八先生にもGTOにもありませんよこんな展開は。

 

 

そのほか、さまざまな問題が鈴木先生と2-A組に降りかかります。

そしてそのたびに、読み手も最初に自分の中で答えを出します。

しかし直後鈴木先生に「みんな簡単にそう考えてしまいがちだが、本当にそれは正しいのか?」と思い直させられるわけです。

 

そして、苦しみつつも必死に導こうとしてくれる先生に、新しい世界を開かれるわけです。

 

この作品は、もはや「体験」です。

 

架空の世界や外国を臨場感たっぷりに描く漫画から得る体験などとは違います。

 

この漫画を読み、登場人物と一緒に考える事で、自分もまた2-Aの生徒のように、新しい考え方を身につけることができるのですから。

 

 

鈴木先生 全11巻 完結セット (アクションコミックス)

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