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ゾンビ映画で主人公がTシャツ着てるのが納得いかない

だって噛まれたらゾンビになるんですよ。プロテクトしろよやる気あんのか

ジャンゴが観やすい映画になっていて微かに残念に思った

映画『ジャンゴ 繋がれざる者』日本版予告編 - YouTube

 

ジャンゴ観ました。

 
これぞタランティーノ作品っていう感じでした。
特に最近の、悪い奴が出てきて酷い目に合わされて、そこからの復讐!っていう流れですね。
 
本作もそんな感じのストーリーです。ですが、少し違うようにも感じる部分もありました。
 
 
キル・ビルでは飽くまで個人の復讐ではあったんですが、イングロリアス・バスターズでは個人の復讐であると同時に、敵が「ナチス」という世界全体の敵でもありました。
悪役として分かりやすいというか。こいつらなら酷い目に合わせて殺しまくってもいいでしょ?っていう感じですね。

 
 
本作ではそれが「黒人を奴隷として酷く扱う白人」に置き換わっています。
 
 
ただ、いつものタランティーノ作品(と語れる程彼の作品を全て見ているわけではないのですが)と比べると、やや大人しいなあ、という印象を受けました。
 
例えば、本作はあんまりエグくない。
エグいっていってもタランティーノのエグさはB級映画を意識した、笑えるエグさだと思うのですが、本作ではそれが抑えられているなあ、と。
例えば腕がぶっ飛んだり、血が噴水みたいにビュービュー出たり、そういう悪ふざけはあまり無かったように思いました。
 
 
これは、個人的には割と好感の持てる傾向というか、別にB級演出が好きなわけではないので、悪ふざけが抑えられている分、真面目に作られている印象を受けてストーリーにのめり込む事ができました。
 
まあ、結局は殺して殺して殺しまくるのには変わりないので、のめり込むほど深いストーリーではないんですけどね笑
 
 
B級演出以外にも、主役であるジャンゴは奴隷ではありますが、そこまで過酷な目には合っていないんですよ。
いや、奴隷にされて愛する妻を目の前で酷い目に合わされて・・・って、充分過酷なんですけど、見てる側が主役と一緒に悪者への憎悪を募らせるような「これでもか!これでもか!!」っていうほどの酷いシーンはそこまで描かれません。
 
なにしろ、映画が始まって早々にジャンゴはDr.シュルツという凄腕の賞金稼ぎによって解放されてしまう。
それで、直接自分を酷い目に合わせていた兄弟への復讐は本編中盤であっさり果たしてしまうんです。
それも、復讐はDr.シュルツに誘われる形で果たした僥倖であって、彼はそれを目的に生きてはいませんでした。
 
 
ジャンゴの目的は生き別れになった妻を取り戻すこと。
つまり、ジャンゴは復讐の物語ではなくて、解放の物語だったんですね。
 
 
レオナルド・ディカプリオ演じるキャンディも、見ていてそこまでの悪ではないんです。
姉を愛し、白人の友人とは楽しく会食する。黒人奴隷には酷くあたりますが、キャンディが悪というよりは、それが許される社会であったから、という描かれ方だと思います。
その証拠に、黒人であってもジャンゴにはそれなりの態度で接しますし、サミュエル・L・ジャクソン演じるスティーヴンにも信頼を置いている。
見ていて本当に悪いのはこのスティーヴンですしね。
 
だから、というわけでもないのですが、ストーリーのクライマックスに入る前に(というかクライマックスへのきっかけという形で)、キャンディはあっさり殺されてしまいます。
あれだけの存在感を放っていたDr.シュルツも同様にあっさり退場してしまうんですね。
 
そこで見ている側は「そういえばこの映画の題名ジャンゴだったわ」って思い出すんですけども、この主役をも食いかねないDr.シュルツというキャラクターは非常に魅力的であり、だからこそあっさり退場がとても勿体無い。
 
そしてだからこそ、あっさり退場させるタランティーノは凄いなあ、と思うわけです。
 
だって、スティール・ボール・ランのジャイロみたいなポジションですよ。
ドラマティックに退場させると思うんですよ。普通だったら。
 
これはキャンディにしても同じではあるのですが、彼は先ほども書いた通り、その時代ではごく当たり前の生き方をしていたわけです。
自尊心が大きすぎて、挑発の度が過ぎたが故に身を滅ぼしてしまうわけですが。
 
そうして考えると、黒人の奴隷であひながら、キャンディと共に他の黒人奴隷を抑圧するスティーヴンこそが悪役として描かれます。
守るべきものを守ろうとせず、戦うべき相手と戦わない。
保身のための隷属を明らかに逸脱して、いつしか白人と同様に黒人を迫害するスティーヴンは本作中で最も憎むべき悪だと思います。
 
 
案の定、キャンディよりよっぽど酷い目に合わされて殺されるわけですけども、やはりそれを差し引いてもそのシーンをもって復讐が完了した、というよりはジャンゴが自由になった、というシーンに思えました。
 
 
この辺りが、タランティーノにしては大人しいというか、理性的だなあ、と淋しく感じたりもしましたね。
ただ、B級演出が抑えられていた事とももちろん関係はあると思うのですが、明らかにストーリーは締まったと思いますし、こちらの方が個人的には好みでした。
 
 
 
 
などといいつつ。
本作の最も興奮したシーンは実はこれらのシーンではなくてですね。
 
僕が心の底から愛してやまないドラマシリーズ「刑事ナッシュ・ブリッジス」で主人公のナッシュを演じているドン・ジョンソンが出演しているんですよ。
それもかなりしょっぱい役ですよ!!(笑)
 
それだけでこの作品を見た価値はありました。
 
ナッシュ・ブリッジスに関してはいつか魅力を紹介したいなあ、と思ってはいるのですが、好きで好きで書き始めるとかなり疲れそうなので、いつの事になるやら・・・

 
話はジャンゴに戻りますが、勧善懲悪もののタランティーノ作品が、「映画」としての品質をより一般向けに高めたのが本作、というような印象を受けました。
とはいえ決してヌルイい、とかつまらないという事はありません。
 
無駄なドンパチが嫌い、という人以外は頭を空にして楽しめると思います。
 

 

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