ゾンビ映画で主人公がTシャツ着てるのが納得いかない

だって噛まれたらゾンビになるんですよ。プロテクトしろよやる気あんのか

許されざる者のテーマが深すぎてちょっとわかりませんでした★★★☆☆

許されざる者」を観ました。

 

クリント・イーストウッド主演の奴ですね。

渡辺謙のやつではないです。

 

アカデミー賞を取った名作という事で以前より観たいとは思っていたんですね。

クリント・イーストウッド監督の作品は最近のものしか観た事はないのですが、軒並み名作揃いであります。

許されざる者も期待せざるを得ない。

という事で、満を持して鑑賞であります。

 

観終わった直後の感想から先に述べますと、「思ってたんと違う」。

なんていうか、思ってたのと違いました。何故か二回言いました。

 

多分、渡辺謙主演の邦画リメイクの予告から勝手に作り上げたイメージのせいですかね。

 

かつて凄腕と名を馳せたガンマンが、引退して静かに暮らしていたものの、悪逆保安官に苦しめられる街のみんなのために立ち上がる!

みたいなストーリーかと思っていました。勧善懲悪的な。

 

全然違う、というわけでもないのですが、でもやっぱり全然違いましたね。

 

ストーリーに関してはwikipediaに詳しく記載してあるのですが、こちらの文章もおびただしい読点に読んでいて不安な気持ちになる名文かと思います。

是非ご一読することをオススメいたします。

 

 

まずタイトルの「許されざる者」なんですけども、これは誰の事を指しているのかというと、主人公のマニーの事だけではないんですね。

多分登場人物みんなの事だと思われます。

 

主人公マニーは昔は極悪人だったのですが、一人の女性と出会い、心を入れ替えて悪の道からは足を洗っています。

しかし、家計が厳しくなり、二人の子供を養うために、本意ならずも賞金首を殺す事を決意します。

 

その賞金首のカウボーイですが、彼は娼婦にイチモツの小ささを笑われて、頭に血が上り、娼婦の顔をナイフで切り刻んでしまいます。

しかし、殺したわけではありません。

 

その娼婦の仲間たちですが、日ごろから娼婦が真っ当な人として扱われない事に不満を抱いており、そこに仲間が傷つけられてカウボーイの首に賞金をかけます。

賞金は全員の有り金全てであり、しかも不足分は精力的に客をとって稼ぐ力の入れようです。

 

その娼館の主人ですが、商品である娼婦の顔に傷をつけられ、最初はカウボーイを処刑しない裁定をした保安官に食ってかかりますが、カウボーイの馬を賠償金代わりに譲り受ける事を条件に、引き下がります。

 

保安官も、街を守るために厳しい決まりを設けており、それを破る者、自分が助命の裁定をしたカウボーイの首を狙う賞金稼ぎに対し、厳しい拷問を加えます。

 

保安官の厳しい拷問によって、マニーの友人であるネッドは命を落としてしまいます。

ネッドは、もともとマニーの賞金稼ぎについてきた仲間ではありますが、賞金首を前にして殺しに嫌気が差し、途中で一人カンザスへ帰ろうとした所を捕まりました。

 

マニーとネッドと共に賞金首を追っていたキッドは、賞金首のカウボーイを殺害しますが、初めて人を殺した恐ろしさに我を失ってしまいます。

 

 

という具合で、登場人物が、みんなして悪い部分もあり、さりとて悪人と言い切れるかというとそうともいえず・・・という構図になっています。

勧善懲悪とは全く違う作品ですね。

 

ただ一人、問題を起こしたカウボーイの友人だけが酷く哀れな扱いを受けておりますが・・・

 

観終わって、うーむ・・・と考えるふりをしてみたのですが、この作品のテーマといいますか、結局何を言いたかったのか?というのがイマイチつかめませんでした。

 

人はみな、それぞれ自分なりに生きていて、そこには明確に善だの悪だのと白黒つけられるものはないんだ、という事でしょうか?

 

ミスティック・リバーも同じように、善が勝つわけでも悪が負けるわけではない結末でしたし、ミリオンダラー・ベイビーもまた、努力したものが勝利し、幸福になるという結末ではありませんでした。

グラン・トリノも、単純に善が勝つわけではなく、守りたいものを守るために自己犠牲という手段をとる事でようやく悪を負かす、いわば相討ちともとれる結末でした。

 

こう考えると、クリント・イーストウッドは単純な勧善懲悪を好まず、人とは、生きるとはそう単純なものではない、という考えを持っているのかもしれません。

 

終劇のモノローグで、マニーは子供を連れて街へ生き、賞金をもとに商売を起こして成功した、というような事が語られます。

これをハッピーエンドとして考えてもまあいいとは思うのですが、マニーは亡き愛妻に二度と殺しはしないと約束していた身です。

子供を養うための賞金稼ぎならまだしも、最後の酒場の行いは妻が許してくれるものだったとは思えないんですよね。

中盤で熱にうなされていた時、マニーは三途の川の向こうで死神と妻が自分を見つめている夢を見ています。妻の顔には蛆が湧いていたという表現から、それは決していい夢ではない。マニーが過去の行いに対して強い罪悪感を感じている事を表していると思われます。

それが、賞金のためにカウボーイを殺し、その後友人を殺された報復に何人も殺してしまう。

街に出て、マニーはそれで幸せになりました、ハッピーエンド、という事にはならないのでしょう。

 

しかし、それでも彼は生きていっただろう、子供達と共に、という事になるんだと思います。

 

 そう考えると、人間にハッキリとした善も悪もなければ、人生に完全なハッピーエンドなどありはしない。生きている限りは人生が続くだけで、己の人生を生きていれば罪をおかす事もある。人を傷つける事もある。

我々はみんな、許されざる者なのだ。

 

っていう事ですか?

すみません難しくてちゃんとわかりませんでした。

どなたか教えてください! 

 

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