読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゾンビ映画で主人公がTシャツ着てるのが納得いかない

だって噛まれたらゾンビになるんですよ。プロテクトしろよやる気あんのか

「オールラウンダー廻」最終巻読んだの巻

オールラウンダー廻が完結いたしまして。
最終巻を読んだので感想を書きたいと思います。

オールラウンダー廻」はどんな漫画かって言いますと、格闘技の漫画ですね。
格闘技というのが所謂一つの「総合格闘技」。作中では「投打極」なんて書かれてましたけども、つまりはパンチキックだけじゃなくて投げ技締め技関節技全部OKの格闘技ですね。

その総合格闘技を「趣味」にしている人達の物語です。

本作を魅力的にしている要素に、みんな趣味でやっている、といった事が挙げられると思います。

プロも居ますし、今はアマでやってるけどゆくゆくはプロに、なんてキャラもいますけど、基本的には主人公の廻(メグル)を始めとしたライバルや仲間はアマチュアの選手です。

それの何がいいのかと言えば、みんな金や生活の為にやっているのではない、という事です。(プロの資格を取るため、という場合もありますが)

趣味なのに、毎日ジムで死ぬような特訓をし、減量をし、試合では怪我も覚悟で殴る蹴るをする。

勿論みんなマゾだからやってるわけじゃなくて、それぞれそこに賭ける「思い」があるんですね。

試合は背負ってる物や意地のぶつかり合いでもある訳で、そこが読んでてとても面白い。
飽くまで趣味の格闘技ですが、各キャラの人生が、そこに凝縮されている、というか。

といったものの、メグルに関してはそこまで強く背負った物がなく、色々な悩みは抱えつつも、割とノホホンとした感じで描かれています。

対照的なのはライバルのタカシで、彼にとっては格闘技は生きる為の手段になっています。
人生を自分の手で切り開こうと足掻くタカシと、趣味の延長で格闘技をしているメグルは対照的ではありますが、ノホホンとした部分こそがメグルの強さ、最終巻では結局そこに落ち着いたんだと思います。


本作は、格闘技の漫画であり、総合格闘技を緻密に描写しつつも、結局のところ描いているのは登場人物それぞれの人生です。みんなそれぞれが人生を切り開く強さを必要としていて、格闘技はその手段にすぎないんですよね。

だからアマチュアでいいんです。
金を稼ぐためにやっていない、そこに意味があるんだと思います。


本作は(多分)試合を始めとした格闘技の描写はかなりリアルに描かれていて、綿密な取材の賜物だろうな、とは思うんですが、なにしろリアルに描きすぎていて正直試合中何が起きているのか分からない。

f:id:trade_heaven:20160526001343j:image
f:id:trade_heaven:20160526001441j:image
・・・読んでて「え?え?」てなる

でも、ヒカルの碁でも囲碁のルールは最後までよく分かってなかったのにストーリーが面白かったので気にならない、モンキーターンでもマクリだのツケマイだの最後まで分からないのに青島は可愛い、そういうのと同じで、本作は描写がイマイチよく分からなくても面白いです。

特にメグルはオールラウンダーというよりは相手の技に対する対応に追われているうちに何だかよく分からないけど逆転してしまうというガチャガチャスタイルで、逆転勝ちの爽快感があります。

負けても、趣味の試合なのでそこまで深刻さがないのもいいですね。


作者の遠藤浩輝氏は本作の前にEDENという漫画を描いていて、僕も全巻持っているのですが、EDENには何というか青臭さというか、正直イヤミな感じがあったように思います。

読者に思い入れのあるキャラを敢えて雑に殺したろ、みたいなね、セックスやらドラッグやら描きたがる、大二病みたいな、そんな感じですかね。
映画とかの影響を受けて隠しきれてないような、うまく説明できないですけど。
漫研感?


EDEN(1) (アフタヌーンコミックス)


それが、オールラウンダー廻ではそういうイヤミな感じが少なくなっていて(無くなってはいない)、EDENより僕は本作の方がずっと好きな作品になりました。
EDENも面白いですけどね。


本作の結末も、「え、こんな終わり?」という感じでしたが、各々の人生は続いていく、そういう大袈裟ではない締め方で正解だったんだろうなあ、と思います。


結論としては、オールラウンダー廻は個人的にかなり好きな作品です。読んでいて人生を感じさせる深みもあり、格闘技の勝ち負けを描いた爽快感もあり、読んでいると格闘技をやってみたくなります。
腹筋を割らなければいけない、そんな気持ちになります。


これから夏が来ますし、読んでみて腹筋を鍛えるモチベーションに繋げるのもまた一興かな、と思います。