ドラマ版アオイホノオ感想。実写化とはこうやるのだバカどもめが!!★★★★★
以前ノーコン・キッドが面白いというブログを書きましたが、同じ枠のアオイホノオ、こちらもメチャクチャ面白いです。
優劣つける必要など全くないのですが、敢えて言うならアオイホノオの方がより好きです。
アオイホノオは島本和彦原作のコミックをドラマ化したものなのですが、とにかく原作に対するリスペクトが凄い。
実写化とはかくあるべきという見本のような作品ではないかと。ファンはこういう実写化を求めているのだ、と思います。
読んだ事がある人なら分かると思いますが、島本和彦漫画は基本的にメチャクチャなんですよ。
あらゆる理屈を勢いで薙ぎ倒す漫画界のトルネードが島本和彦なんですが、ただその勢いが余人を寄せ付けない領域まで昇華されていてもう、これは島本和彦しか無理だ、島本和彦だからとにかく凄い、面白い、レディーーーーゴオオオオオ!!!
ダメだ途中からよく分からなくなってしまいました。
とにかく島本和彦の漫画は凄い勢いで凄く面白いんですよ!!!
でもね、そういう漫画ならではの勢いを実写にするって難しいに決まってるじゃないですか。間の取り方を間違えたらそりゃもう寒い事になりますから。
しかし、このドラマは違った。
大丈夫だった。
むしろ漫画よりやらかしてる勢いだった!
本作を支えているのがまず何よりも主演の柳楽優弥。
誰も知らない柳楽優弥がまさかこんな演技をしてくれているとは。
柳楽優弥が演じる事によって、ホノオのキャラがより深まったのではないか?とすら思わせます。
さすがカンヌ。
原作のホノオは、口では調子乗った事を言っているものの、内面はかなり「普通を弁えているキャラ」ではないかと思います。
常に不安と闘い、実は自信が無いが故に己を鼓舞するために大口を叩いているような。
柳楽ホノオは、もっと振り切っている。
もっと根拠のない自信に満ち溢れている。
だから、その自信が打ち砕かれる時の落差と立ち直る時の落差がよりコミカルでテンポ良く感じるのだと思います。
原作と全く同じ台詞を話し、全く同じ展開なのに印象が変わるのは柳楽優弥のなせる技かもしれません。
勿論、原作のキャラを壊すような、嫌な演技では決してありません。
むしろ、僕は本作を通じて柳楽優弥に対する好感度がグッと上がりました。
柳楽優弥以外にも、庵野秀明を演じる安田顕、ドラマ24枠の主のような佐藤二朗、ムロツヨシなど、アクの強い俳優が揃っていますが、みんな面白い。
庵野秀明の事は基本的に好きではないのですが、本作を見てやや好きになってしまいましたし、佐藤二朗演じるMADホーリーはこのドラマで一番悪ノリしまくってメチャクチャだと思うんですけど、彼のシーンだけ3回見たりしちゃうくらい好きだし、ムロツヨシの「食いっっっっっぱぐれない!」も外さない。
このあたりの純粋な楽しさは福田雄一監督の手腕によるものなんでしょうかね?
キャストで言えば、実際に作中で取り上げられている登場人物の本人が、カメオ出演しまくってますよね。
(庵野秀明以外)
これも、本作のドラマ化が関係者からも応援されている証拠と言えるんじゃないでしょうか。
手塚治虫を岡田斗司夫が演じてるのだけは気に入らなかったですけど。
キャストではありませんが、ナレーションが古谷徹なのも素晴らしかった。
こうした絶妙なバランスでもって、ストーリーは原作を忠実になぞりつつ、24分×10話でバシッと締める。
ラストにはファンをニヤリとさせる演出もあり・・・
完璧な仕上がりですよ。
これは傑作です。
付け加えるなら、OPとEDも素晴らしい。
一話見終えて、早く続きが見たいのにOPが良すぎて飛ばせない。
EDもサービス映像で飛ばせない。
とにかく面白いので、未見の人には見て欲しいです。
例によってAmazonプライムビデオで視聴可能です。
最近、鋼の錬金術師やらジョジョ3部やら銀魂やら実写化しようってニュースが飛び交ってますが、このレベルの実写化がお前らにできるのかと。
ジャニーズがエドワードってアホか、せめて外人連れてこいと。
銀魂なんか無理に決まってるだろと。大勢のファンの逆鱗に触れて失敗するだけだろ、と。(と思ったらこっちも福田監督なんですね・・・!?)
何が違うのかって、やっぱり原作やファンに対するリスペクトが感じられるかどうか、という事になると思うんですけどね。
まだ制作が発表されただけの作品にあーだこーだ言うのもナンセンスな気がしますが。でも以前、それで論争になった進撃の巨人は「ほれ見たことか」な結果でしたしね。
話が逸れまくりましたが。
とりあえず原作ファンも原作を知らない人も、アオイホノオは必見です。
そして原作も傑作なので、未読であればついでに読んでみる事をお勧めします。