「LOOPER」よくあるようで中々ない良作でした★★★☆☆
LOOPER見ました。
中々丁寧に作ってある良作でした。
最近見た中ではTIMEに印象が似てますかね。
いや、ストーリーは全然似てないですが、独特の世界観を持った近未来SFというあたりが。
主演のジョゼフ・ゴードン=レヴィットなんですが、名前長いです。いつまでたっても覚えられない。どうにかして欲しい。
あ、いえ名前ではなくて、なんていうかこんな顔でしたっけ?特殊メイクしてますよね?
凄くブルース・ウィリスに似てるんですよ。ダークナイト・ライジングの時はこんなにブルース・ウィリス的な要素はなかったと思うんですが。ていうかこんな顔じゃなかったような。役作りだとしたら凄いもんですね。
あらすじですが、
舞台は2044年のカンザス州、ジョーは未来の犯罪組織の依頼で過去にタイム・トラベルしてくる標的を処理する殺し屋、通称「ルーパー」だ。しかしある依頼で処理することになったのは、30年後の未来からやってきた自分自身だった。未来の自分を殺せずに取り逃がしてしまったジョーは、彼が標的にしている相手が30年後に未来の犯罪王「レインメーカー」となる幼い子供であることを知る。
Wikipediaからの引用ですがこんな感じです。
面白いのは、タイムスリップものでありながらも主人公はタイムスリップしないんですよね。
いやするんですけど、それは主人公というか30年後の主人公であって、飽くまで若い方の主役目線ではタイムスリップはしないわけです。
そういう意味ではターミネーター2と割と近い要素がかなりありますね。
ターミネーターと違うのは、主人公のポジションはジョンを守るターミネーターそのものだという辺りでしょうか。
そして敵であるT1000は未来から来た自分なんですね。
この、相手が自分というのが仕掛けとして割とうまく働いていて、主人公が隠れようが、出し抜こうとしようが、敵に全部筒抜けになってしまう訳です。
なんせ未来の自分なので、過去の自分の行動は全て覚えているんです。
逆に未来の自分は主人公を殺せないはずなんですが、その辺りの駆け引きはあまり描かれて無かったような。
その未来の自分が狙う、未来で勢力を誇る悪の親玉みたいなレイン・メーカーというマフィアのボスがいるのですが、その正体にはもう一工夫あっても良かったかなあ、と。レイン・メーカーという名前も、恐らくは文字通り「血の雨を降らす」という事から来ているんだと思いますが、正体は「まあこいつだろうな」とすぐ分かる作りになっています。ここはドンデン返しがあってもよかったかもしれません。
とはいえ、こういうタイムスリップものはワクワクします。
近未来の描写や、タイムスリップもの特有の仕掛けが好きなんですよね。
今作では、過去の自分に一生消えない傷をつけると、未来の自分にその傷が残る、というのがその仕掛けに当たると思います。
これは中々良くできていてストーリー上もそのまま使われるんですが、もう一つ、現在の主人公と未来の主人公が切っても切れない関係である事を表します。
ドラゴンボールのタイムスリップのように、どこかで歴史が分離するわけではないという事ですね。
なので、現在の主人公は未来の主人公を殺そうと躍起になるわけですが、そんな主人公を経験した結果が未来の主人公という事になります。
ブルース・ウィリス演じる未来の主人公はそうした現在の主人公の気持ちも記憶しているわけで、現在の主人公の感情は未来から来た自分が原因になっている。
タイトルの通りループしているんですね。
作中ではそのループを断つ方法は死ぬ事なんですが、この「ループを断つ」というフレーズがラストシーンでより深い意味を持ってくるんですね。
この辺り良くできていると思います。
ラストで、主人公はある決断をします。
ですが、その結果どうなるかは描かれていません。
主人公の決断も虚しく、何も変えられないのか。それとも全てを大きく変える事になるのか。
色々解釈の仕方もありそうですね。
とりあえず近未来SFものが好きな方は損はしないと思うのでオススメです。