ゾンビ映画で主人公がTシャツ着てるのが納得いかない

だって噛まれたらゾンビになるんですよ。プロテクトしろよやる気あんのか

「人生の特等席」気持ちのいい名作なのでみんな見るべき★★★★★


映画『人生の特等席』イーストウッドコメント入り予告編 - YouTube

 

許されざる者を見て、ちょっとイーストウッド熱が高まりましたので、かねてからちゃんと観たいと思っていた本作を観ました。

 

この作品、以前海外に行った時に飛行機の中で途中まで観てしまいまして(というか途中までしか観れず)、なんとなくお金を出すのが勿体ないような気がして敬遠していたのですが、大きな間違いでありました。

 

これはいい映画です。みんなにオススメしたい。

 

個人的にイーストウッドの作品というと、なんとなく重いイメージがあります。

生きるとは何ぞや?とか、人間とは?尊厳とは?なんていう風に、観る側に問いかけてくるような作品が多いイメージなんですね。

観た後にズーンと残るんですよ。見応えがあると言いますか。

イーストウッドが作りたいと思って選ぶ脚本がそういう作品なのでしょう。

 

ところが本作は全くそんな事はありません。

 

よくよく見ると監督はイーストウッドではなく、ロバート・ロレンツという人なんですね。イーストウッドは製作だけで、主演に専念したようです。

特典映像を見るとこのロバート監督、ずっとイーストウッドの片腕として助監督をしていたらしく、本作で念願の監督デビューとなったとの事です。

 

初監督とはとても思えない見事な作品でしたが、もしかするとイーストウッドが愛弟子の初監督作品にシンプルでストレートな作品をあてがったのかもしれませんね。

本作はズーンと残るのではなく、スッとした清々しい気持ちになれました。

 

以下、多少ネタバレを含んだ感想です。

 

 

 

 

本作は観終わった後清々しい気持ちになれる作品と上で書きましたが、要するにハッピーエンドなんですね。

 

ただ、一本の映画の中に確執を抱える親子の問題であったり、老齢によって行き詰まりを見せるメジャーリーグのスカウトマンの葛藤であったり、いくつかの問題があるわけです。

映画によってはその辺りのテーマが現実的な描かれ方、悪く言えば後味悪く描かれるケースもあると思うのですが、本作は「良かったね!」と思えるいい終わり方をしてくれます。

また、イーストウッド演じる主人公親子の問題の他にも、調子に乗った性格ワルがラストで痛い目にあい、スカッとするという実にアメリカ映画らしいシンプルな爽快感もあります。

(ピーナッツボーイのエピソードは最高!)

マネー・ボールと内容的に正反対の映画なので、その辺りも個人的にニヤニヤしながら見ていました。マネー・ボールもいい映画でしたけどね。

 

とはいえストーリーはシンプルですが、イーストウッド演じるガスとその娘ミッキーの親子の描かれ方はとても丁寧です。

お互いに仲良くしたいのに、噛み合わずギクシャクしてしまう序盤から、徐々に雪解けしていく過程が、自然に、優しく描かれていると思います。

 

イーストウッド演じるガスという役ですが、これが見事なまでにいつも通りのイーストウッドです。

頑固で口が悪く、性根は優しいのにそれをどうやって表していいのかわからない。

なのですが、今回はそこに娘が登場します。

娘も父親譲りの頑固さで、娘の扱いに戸惑うガスの姿はいつものイーストウッドにはない可愛らしさがあって、本作の見どころの一つだと思います。

ラストシーンのガスの姿は必見で、いつまでも娘を子供だと思っていた中盤と比べ、一人の大人として扱うようになるんですね。

嬉しくもあり寂しくもあるという親心でしょうか。

 

 

娘のミッキーを演じるエイミー・アダムスもとても素敵な女優さんですね。

作中、ミッキーが33歳だというセリフがあって、ハリウッド作品で女優が実年齢より上の役を演じるのは珍しいなあ、と思って観ていたのですが、この人、1974年生まれなんですね(!)

撮影当時36か37歳くらいだと思うんですが、全然見えないです!ずっと20代かと思ってました・・・

 

共演のジャスティン・ティンバーレイクが1981年生まれだそうですので、7歳差ですよ・・。

ていうかジャスティン・ティンバーレイクはもっと上かと思ってました。81年生まれなのか。

 

で、このミッキーという役もまた魅力的な役なんですよ。父親譲りの頑固さと勝ち気さを兼ね備えていて、なかなか他人に心を開く事ができないんですね。

そんな彼女がラストどのような変化を見せるのか、ここも見どころだと思います。

 

 

本作を観て思ったのですが、やっぱりこういう映画が一番好きかもしれないですね。

観終わって幸せな気分になるという事はとても素晴らしい事だと思います。最近では他にリアル・スティールを観たあともこんな気持ちになりました。

 

 

リアル・スティール同様、誰にでおオススメできる素晴らしい作品だと思います。

 

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許されざる者のテーマが深すぎてちょっとわかりませんでした★★★☆☆

許されざる者」を観ました。

 

クリント・イーストウッド主演の奴ですね。

渡辺謙のやつではないです。

 

アカデミー賞を取った名作という事で以前より観たいとは思っていたんですね。

クリント・イーストウッド監督の作品は最近のものしか観た事はないのですが、軒並み名作揃いであります。

許されざる者も期待せざるを得ない。

という事で、満を持して鑑賞であります。

 

観終わった直後の感想から先に述べますと、「思ってたんと違う」。

なんていうか、思ってたのと違いました。何故か二回言いました。

 

多分、渡辺謙主演の邦画リメイクの予告から勝手に作り上げたイメージのせいですかね。

 

かつて凄腕と名を馳せたガンマンが、引退して静かに暮らしていたものの、悪逆保安官に苦しめられる街のみんなのために立ち上がる!

みたいなストーリーかと思っていました。勧善懲悪的な。

 

全然違う、というわけでもないのですが、でもやっぱり全然違いましたね。

 

ストーリーに関してはwikipediaに詳しく記載してあるのですが、こちらの文章もおびただしい読点に読んでいて不安な気持ちになる名文かと思います。

是非ご一読することをオススメいたします。

 

 

まずタイトルの「許されざる者」なんですけども、これは誰の事を指しているのかというと、主人公のマニーの事だけではないんですね。

多分登場人物みんなの事だと思われます。

 

主人公マニーは昔は極悪人だったのですが、一人の女性と出会い、心を入れ替えて悪の道からは足を洗っています。

しかし、家計が厳しくなり、二人の子供を養うために、本意ならずも賞金首を殺す事を決意します。

 

その賞金首のカウボーイですが、彼は娼婦にイチモツの小ささを笑われて、頭に血が上り、娼婦の顔をナイフで切り刻んでしまいます。

しかし、殺したわけではありません。

 

その娼婦の仲間たちですが、日ごろから娼婦が真っ当な人として扱われない事に不満を抱いており、そこに仲間が傷つけられてカウボーイの首に賞金をかけます。

賞金は全員の有り金全てであり、しかも不足分は精力的に客をとって稼ぐ力の入れようです。

 

その娼館の主人ですが、商品である娼婦の顔に傷をつけられ、最初はカウボーイを処刑しない裁定をした保安官に食ってかかりますが、カウボーイの馬を賠償金代わりに譲り受ける事を条件に、引き下がります。

 

保安官も、街を守るために厳しい決まりを設けており、それを破る者、自分が助命の裁定をしたカウボーイの首を狙う賞金稼ぎに対し、厳しい拷問を加えます。

 

保安官の厳しい拷問によって、マニーの友人であるネッドは命を落としてしまいます。

ネッドは、もともとマニーの賞金稼ぎについてきた仲間ではありますが、賞金首を前にして殺しに嫌気が差し、途中で一人カンザスへ帰ろうとした所を捕まりました。

 

マニーとネッドと共に賞金首を追っていたキッドは、賞金首のカウボーイを殺害しますが、初めて人を殺した恐ろしさに我を失ってしまいます。

 

 

という具合で、登場人物が、みんなして悪い部分もあり、さりとて悪人と言い切れるかというとそうともいえず・・・という構図になっています。

勧善懲悪とは全く違う作品ですね。

 

ただ一人、問題を起こしたカウボーイの友人だけが酷く哀れな扱いを受けておりますが・・・

 

観終わって、うーむ・・・と考えるふりをしてみたのですが、この作品のテーマといいますか、結局何を言いたかったのか?というのがイマイチつかめませんでした。

 

人はみな、それぞれ自分なりに生きていて、そこには明確に善だの悪だのと白黒つけられるものはないんだ、という事でしょうか?

 

ミスティック・リバーも同じように、善が勝つわけでも悪が負けるわけではない結末でしたし、ミリオンダラー・ベイビーもまた、努力したものが勝利し、幸福になるという結末ではありませんでした。

グラン・トリノも、単純に善が勝つわけではなく、守りたいものを守るために自己犠牲という手段をとる事でようやく悪を負かす、いわば相討ちともとれる結末でした。

 

こう考えると、クリント・イーストウッドは単純な勧善懲悪を好まず、人とは、生きるとはそう単純なものではない、という考えを持っているのかもしれません。

 

終劇のモノローグで、マニーは子供を連れて街へ生き、賞金をもとに商売を起こして成功した、というような事が語られます。

これをハッピーエンドとして考えてもまあいいとは思うのですが、マニーは亡き愛妻に二度と殺しはしないと約束していた身です。

子供を養うための賞金稼ぎならまだしも、最後の酒場の行いは妻が許してくれるものだったとは思えないんですよね。

中盤で熱にうなされていた時、マニーは三途の川の向こうで死神と妻が自分を見つめている夢を見ています。妻の顔には蛆が湧いていたという表現から、それは決していい夢ではない。マニーが過去の行いに対して強い罪悪感を感じている事を表していると思われます。

それが、賞金のためにカウボーイを殺し、その後友人を殺された報復に何人も殺してしまう。

街に出て、マニーはそれで幸せになりました、ハッピーエンド、という事にはならないのでしょう。

 

しかし、それでも彼は生きていっただろう、子供達と共に、という事になるんだと思います。

 

 そう考えると、人間にハッキリとした善も悪もなければ、人生に完全なハッピーエンドなどありはしない。生きている限りは人生が続くだけで、己の人生を生きていれば罪をおかす事もある。人を傷つける事もある。

我々はみんな、許されざる者なのだ。

 

っていう事ですか?

すみません難しくてちゃんとわかりませんでした。

どなたか教えてください! 

 

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フライト全然予想と違う映画だったんですけど★★★★☆

 
フライト観ました。
 
これ、なんですかね。
凄く面白かったんですけども、流石ロバート・ゼメキスと思いましたけども、ただ、予告見て想像してた映画と全然違うんですけど。
 
予告を見ると、法廷物の映画かと思ったんですよ。
評決の時みたいな。
 
法廷物の映画は凄く好き、というか外れのケースが少ないので期待して観たんですが、これ全然そういうのじゃない。
 
これは、アル中のクズが自分と向き合って更生への一歩を踏み出せるか?
というそれを描く映画です。
 
事件の真相は?
とか
判決の行方は?
みたいな映画ではありません。
 
だって、映画開始早々主役コカインやってますからね。パイロットなんですけど。
で、これからフライトだ、とか言ってんですよ。しょっぱなから「みなさん、この主人公はクズですよ!」と紹介されるわけです。
 
 
ただ、悪人ではない。
そして何より、パイロットとしての腕が一流なんですね。
 
プライドが高いんですが、そのプライドを裏付けるだけの実績があるんです。
だからこそタチが悪いとも言えますが。
 
プライドが高い故に、彼は自分がクズだとは認められない。
 
 
この映画を観ていて、凄いな!と思ったのは、終盤、この日は、この日だけは酒を飲んではいけない、そういう日に、酒を手にしてしまった主人公の葛藤のシーン。
このシーンは本当に手に汗握りました。
 
ここで酒を飲んでしまえば、キャリアも、友人も、人生全てがパーになる、そういう瞬間にアル中が酒を手に、ジッと葛藤するわけです。
この緊張感たるや!
 
そしてその後の彼の選択、その描き方も含めて心臓がバクバク言いました。
 
 
そして、そのシーンを経ての、彼に迫られたもう一つの選択。
この映画のクライマックスは、主人公がどのような決断をするか?
それを描いています。
 
主人公はある決断をし、ある物を失い、ある物を得ます。
 
自分と向き合えずにいたアル中が、自分がアル中であると認めた時、彼の人生はどのような変貌をとげるのでしょうか?
 
 
安易なご都合主義のハッピーエンドではなく、かといって見るものに納得と満足を与える素晴らしい脚本だったと思います。
 
 
法廷物でもサスペンスでもありませんでしたが、練られた脚本は見事で、観て良かったと思える作品でした。
オススメです。
 

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ジャンゴが観やすい映画になっていて微かに残念に思った★★★☆☆

映画『ジャンゴ 繋がれざる者』日本版予告編 - YouTube

 

ジャンゴ観ました。

 
これぞタランティーノ作品っていう感じでした。
特に最近の、悪い奴が出てきて酷い目に合わされて、そこからの復讐!っていう流れですね。
 
本作もそんな感じのストーリーです。ですが、少し違うようにも感じる部分もありました。
 
 
キル・ビルでは飽くまで個人の復讐ではあったんですが、イングロリアス・バスターズでは個人の復讐であると同時に、敵が「ナチス」という世界全体の敵でもありました。
悪役として分かりやすいというか。こいつらなら酷い目に合わせて殺しまくってもいいでしょ?っていう感じですね。

 
 
本作ではそれが「黒人を奴隷として酷く扱う白人」に置き換わっています。
 
 
ただ、いつものタランティーノ作品(と語れる程彼の作品を全て見ているわけではないのですが)と比べると、やや大人しいなあ、という印象を受けました。
 
例えば、本作はあんまりエグくない。
エグいっていってもタランティーノのエグさはB級映画を意識した、笑えるエグさだと思うのですが、本作ではそれが抑えられているなあ、と。
例えば腕がぶっ飛んだり、血が噴水みたいにビュービュー出たり、そういう悪ふざけはあまり無かったように思いました。
 
 
これは、個人的には割と好感の持てる傾向というか、別にB級演出が好きなわけではないので、悪ふざけが抑えられている分、真面目に作られている印象を受けてストーリーにのめり込む事ができました。
 
まあ、結局は殺して殺して殺しまくるのには変わりないので、のめり込むほど深いストーリーではないんですけどね笑
 
 
B級演出以外にも、主役であるジャンゴは奴隷ではありますが、そこまで過酷な目には合っていないんですよ。
いや、奴隷にされて愛する妻を目の前で酷い目に合わされて・・・って、充分過酷なんですけど、見てる側が主役と一緒に悪者への憎悪を募らせるような「これでもか!これでもか!!」っていうほどの酷いシーンはそこまで描かれません。
 
なにしろ、映画が始まって早々にジャンゴはDr.シュルツという凄腕の賞金稼ぎによって解放されてしまう。
それで、直接自分を酷い目に合わせていた兄弟への復讐は本編中盤であっさり果たしてしまうんです。
それも、復讐はDr.シュルツに誘われる形で果たした僥倖であって、彼はそれを目的に生きてはいませんでした。
 
 
ジャンゴの目的は生き別れになった妻を取り戻すこと。
つまり、「ジャンゴ」は復讐の物語ではなくて、解放の物語だったんですね。
 
 
レオナルド・ディカプリオ演じるキャンディも、見ていてそこまでの悪ではないんです。
姉を愛し、白人の友人とは楽しく会食する。黒人奴隷には酷くあたりますが、キャンディが悪というよりは、それが許される社会であったから、という描かれ方だと思います。
その証拠に、黒人であってもジャンゴにはそれなりの態度で接しますし、サミュエル・L・ジャクソン演じるスティーヴンにも信頼を置いている。
見ていて本当に悪いのはこのスティーヴンですしね。
 
だから、というわけでもないのですが、ストーリーのクライマックスに入る前に(というかクライマックスへのきっかけという形で)、キャンディはあっさり殺されてしまいます。
あれだけの存在感を放っていたDr.シュルツも同様にあっさり退場してしまうんですね。
 
そこで見ている側は「そういえばこの映画の題名ジャンゴだったわ」って思い出すんですけども、この主役をも食いかねないDr.シュルツというキャラクターは非常に魅力的であり、だからこそあっさり退場がとても勿体無い。
 
そしてだからこそ、あっさり退場させるタランティーノは凄いなあ、と思うわけです。
 
だって、スティール・ボール・ランのジャイロみたいなポジションですよ。
ドラマティックに退場させると思うんですよ。普通だったら。
 
これはキャンディにしても同じではあるのですが、彼は先ほども書いた通り、その時代ではごく当たり前の生き方をしていたわけです。
自尊心が大きすぎて、挑発の度が過ぎたが故に身を滅ぼしてしまうわけですが。
 
そうして考えると、黒人の奴隷でありながら、キャンディと共に他の黒人奴隷を抑圧するスティーヴンこそが悪役として描かれます。
守るべきものを守ろうとせず、戦うべき相手と戦わない。
保身のための隷属を明らかに逸脱して、いつしか白人と同様に黒人を迫害するスティーヴンは本作中で最も憎むべき悪だと思います。
 
 
案の定、キャンディよりよっぽど酷い目に合わされて殺されるわけですけども、やはりそれを差し引いてもそのシーンをもって復讐が完了した、というよりはジャンゴが自由になった、というシーンに思えました。
 
 
この辺りが、タランティーノにしては大人しいというか、理性的だなあ、と淋しく感じたりもしましたね。
ただ、B級演出が抑えられていた事とももちろん関係はあると思うのですが、明らかにストーリーは締まったと思いますし、こちらの方が個人的には好みでした。
 
 
 
 
などといいつつ。
本作の最も興奮したシーンは実はこれらのシーンではなくてですね。
 
僕が心の底から愛してやまないドラマシリーズ「刑事ナッシュ・ブリッジス」で主人公のナッシュを演じているドン・ジョンソンが出演しているんですよ。
それもかなりしょっぱい役ですよ!!(笑)
 
それだけでこの作品を見た価値はありました。
 
ナッシュ・ブリッジスに関してはいつか魅力を紹介したいなあ、と思ってはいるのですが、好きで好きで書き始めるとかなり疲れそうなので、いつの事になるやら・・・

 
話はジャンゴに戻りますが、勧善懲悪もののタランティーノ作品が、「映画」としての品質をより一般向けに高めたのが本作、というような印象を受けました。
とはいえ決してヌルイい、とかつまらないという事はありません。
 
無駄なドンパチが嫌い、という人以外は頭を空にして楽しめると思います。
 

 

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「LOOPER」よくあるようで中々ない良作でした★★★☆☆

LOOPER見ました。

 


『LOOPER/ルーパー』予告編 - YouTube

 

 中々丁寧に作ってある良作でした。

最近見た中ではTIMEに印象が似てますかね。

いや、ストーリーは全然似てないですが、独特の世界観を持った近未来SFというあたりが。

 

主演のジョゼフ・ゴードン=レヴィットなんですが、名前長いです。いつまでたっても覚えられない。どうにかして欲しい。

あ、いえ名前ではなくて、なんていうかこんな顔でしたっけ?特殊メイクしてますよね?

凄くブルース・ウィリスに似てるんですよ。ダークナイトライジングの時はこんなにブルース・ウィリス的な要素はなかったと思うんですが。ていうかこんな顔じゃなかったような。役作りだとしたら凄いもんですね。

 

あらすじですが、

舞台は2044年カンザス州、ジョーは未来の犯罪組織の依頼で過去にタイム・トラベルしてくる標的を処理する殺し屋、通称「ルーパー」だ。しかしある依頼で処理することになったのは、30年後の未来からやってきた自分自身だった。未来の自分を殺せずに取り逃がしてしまったジョーは、彼が標的にしている相手が30年後に未来の犯罪王「レインメーカー」となる幼い子供であることを知る。

Wikipediaからの引用ですがこんな感じです。

 

面白いのは、タイムスリップものでありながらも主人公はタイムスリップしないんですよね。

いやするんですけど、それは主人公というか30年後の主人公であって、飽くまで若い方の主役目線ではタイムスリップはしないわけです。

 

そういう意味ではターミネーター2と割と近い要素がかなりありますね。

ターミネーターと違うのは、主人公のポジションはジョンを守るターミネーターそのものだという辺りでしょうか。

そして敵であるT1000は未来から来た自分なんですね。

 

この、相手が自分というのが仕掛けとして割とうまく働いていて、主人公が隠れようが、出し抜こうとしようが、敵に全部筒抜けになってしまう訳です。

なんせ未来の自分なので、過去の自分の行動は全て覚えているんです。

 

逆に未来の自分は主人公を殺せないはずなんですが、その辺りの駆け引きはあまり描かれて無かったような。

 

その未来の自分が狙う、未来で勢力を誇る悪の親玉みたいなレイン・メーカーというマフィアのボスがいるのですが、その正体にはもう一工夫あっても良かったかなあ、と。レイン・メーカーという名前も、恐らくは文字通り「血の雨を降らす」という事から来ているんだと思いますが、正体は「まあこいつだろうな」とすぐ分かる作りになっています。ここはドンデン返しがあってもよかったかもしれません。

 

とはいえ、こういうタイムスリップものはワクワクします。

近未来の描写や、タイムスリップもの特有の仕掛けが好きなんですよね。

今作では、過去の自分に一生消えない傷をつけると、未来の自分にその傷が残る、というのがその仕掛けに当たると思います。

 

これは中々良くできていてストーリー上もそのまま使われるんですが、もう一つ、現在の主人公と未来の主人公が切っても切れない関係である事を表します。

 

ドラゴンボールのタイムスリップのように、どこかで歴史が分離するわけではないという事ですね。

なので、現在の主人公は未来の主人公を殺そうと躍起になるわけですが、そんな主人公を経験した結果が未来の主人公という事になります。

 

ブルース・ウィリス演じる未来の主人公はそうした現在の主人公の気持ちも記憶しているわけで、現在の主人公の感情は未来から来た自分が原因になっている。

タイトルの通りループしているんですね。

 

作中ではそのループを断つ方法は死ぬ事なんですが、この「ループを断つ」というフレーズがラストシーンでより深い意味を持ってくるんですね。

この辺り良くできていると思います。

 

ラストで、主人公はある決断をします。

ですが、その結果どうなるかは描かれていません。

 

主人公の決断も虚しく、何も変えられないのか。それとも全てを大きく変える事になるのか。

色々解釈の仕方もありそうですね。

 

とりあえず近未来SFものが好きな方は損はしないと思うのでオススメです。

 

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「ダイ・ハード ラスト・デイ」カス映画すぎて観たファンの心境がラスト・デイになる件について★☆☆☆☆

注意:本作を好きな方は非常に不快な思いをするかと思いますので、読まない事をお勧めします。あくまで一個人の感想ですので、その辺りよろしくお願いいたします。

 

ナメてんのか関係者各位てめえコノヤロウ。

コノヤロウズ。

 

劇場公開時に行かなくて何がファンなの?って言われたら本当返す言葉もございませんが、それなりにシリーズのファンですよ?

4までDVD買ってあったのに全部ブルーレイに買い替えたりしたんですが5作目でこんなカス映画作られたらコレクションが途絶えちゃうだろバカヤロウ!!

 

いやー・・・

 

なんでしょう。ショックから立ち直れない。

久しぶりに見ましたよ。こんなカス映画。

 

まず一本の映画として非常にどうしようもないレベルのカス映画です。

そして何より、「ダイ・ハード」の名前を冠する映画としてこれまた救いようがないくらいのゴミ作品となっております。

 

 

まず、ストーリーが破綻してます。

本作の舞台はロシアであります。

主人公ジョン・マクレーンの息子であるジャックが本作で初登場するわけですが、ジャックが冒頭で殺人を犯すわけですね。

実はその殺人はとある重要人物に接触するための作戦の一部だったわけですが、そんな作戦聞いた事もねえよ。

殺人と見せかけた狂言かと思ったら、ちゃんと殺してました。本当にありがとうございました。

 

そんでまあ、重要人物の裁判中に敵が襲撃してくるんですが、え、襲撃?

国中が注目する裁判が襲撃されるってロシアってそんなデンジャラスな国なんですかねえ。

その後もド派手なカーチェイスで車をグッシャグッシャ壊すんですけど、こんなん関係者各位みなさん捕まるだろ。どうやって逃げたんだよ。

 

主人公のジョンも、作中通して頭がオカシイ。

明らかに緊迫した状況で息子と再開して、ジャック!ジャック!!とかずっと叫んでんの。空気読むとかそれ以前の問題でしょう。キチガイかよ。

一般人殴り倒して車強奪したり、強奪した車で他の一般人の車踏みつぶしまくったり、ロシア人に恨みでもあんの?

ジョンだけでたぶん50人くらい殺してますよ。

 

最初から最後まで脚本がカスなので、事細かに一々突っ込んでてもキリがないのですが、一つだけ。

クライマックスシーンはチェルノブイリなんですよ。

で、

「長年の放射能が蓄積してこれ以上は進めない!」

「大丈夫、放射能を中和するガスがあるわ」

ガスプシュー

「よし、みんな息していいよー」

みたいなシーンがあるんですけどマジでなめてんのかてめえコノヤロウバカヤロウ!!

ジャパンにケンカ売ってんのかアメ公!!(ちなみに監督はアイルランド人)

 

 

そんで最後、敵は自分からヘリでビルに突っ込んで爆発して死にます。

 

ヘリでビルの中の主人公親子を攻撃しようとして、

「弾切れだ!!」

「うーん、じゃあ自分で突っ込むぞー!」

ヘリドカーン

主人公親子「飛び降りたら下に何故かプールあったわ助かったわー」

て。

 

命をナメるな

 

 

本作が映画として如何にクソかっていう事を書き続けても仕方ないのですが、映画そのものとは別に一つ文句を言ってやりたい事があります。

レンタルしたんですが、「劇場公開版」と「最強無敵ロング・バージョン」の二つのバージョンが収録されているんですね。

 

「最強無敵ロング・バージョン」からは「劇場公開版」のシーンがカットされています!!

ロングバージョンでカットすんな!!!

 

いや、カットするのはまあいいとしよう。

でもカットされているシーンがシリーズ4で登場した娘とのシーンなんですよ。

「最強無敵ロング・バージョン」を見ていたんですが、娘が登場しないんですよ。

予告で出てたはずなのになんで??って思ってたんですが、カットされてるんですよ。

ロング・バージョンのみ。

予告で使用されているシーンが本編でカットされる事はたまにありますが、本編からカットするとは・・・

しかも娘とのシーン、カットする意味ありますかね?入れてやりなさいよ。


映画『ダイ・ハード/ラスト・デイ』予告編 - YouTube

 

いやもうほんと、酷かった。酷い映画でした。

あー、つまんなかった。

 

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「ヤマト2199 第7章 そして艦は行く」を観て来ました★★☆☆☆

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割とネガティブな感想です。

観て面白かったと思った方、これからテレビの放送を楽しみにしている方はご注意下さい。
ネタバレもしまくりです。
 
 
ヤマト2199、テレビの放送を毎週楽しみにしております。
今期はヤマトとマジェスティックプリンスが楽しみにしているアニメの一位二位を競っている状態であります。
 
先週のヤマトのTV放送で劇場版の第6章まで終わりまして、ちょうど劇場版に追いついたタイミングとなりました。
第7章は製作が間に合わず、一部短縮された状態での公開となったという事ですので、品質よりもスケジュールがマストであった事が伺えますが、これはこのタイミングを狙ったものである事は疑いようもありません。
まああと一週間遅れるだけでも、上映中の作品がTVで放送されてしまうわけで当然の話ではありますが。
 
待てばすぐTVで放送される事は分かっていますが、TVで最終回を観て傑作であった時、凄く後悔するのでは?と思いました。
だって、それを劇場で鑑賞する機会があったにも関わらず、それを逃してしまったという事ですから。
 
そして、第6章の分までの放送を観た結果、そうなる可能性がかなり高い。
これは映画館で観るっきゃない!!
 
 
そう思って、昨日観て参りました。
 
で、ここからが感想になるのですが。
 
 
 
あれ・・・?
あれえー?
 
 
なんだろ、最後の最後でグダグダな感じです。
 
ツッコミ所がとても多い。
これは名作になり損ねたのでは?
 
まず、デスラーなんですけども、小物感がハンパない。
 
こいつヤマトに乗り込んで来て肩撃たれて帰っていったけど、マジで何しに来たの?
 
ていうか、以前暗殺されたと見せかけて実は生きてました!っていうネタを使ったはずなのに、今回もまた同じネタ・・
第7章だけで、デスラーに雪に守と、死んだと思いきや生きてたっていう展開が使われすぎです。
 
沖田艦長まで生き返るんじゃないかとヒヤヒヤしましたよ!
 
 
デスラーの小物感といえば、スターシャ・イスカンダルの事を愛していて、謂わば彼女の為に宇宙征服をしようとしていたんでしょ?
スターシャもデスラーの気持ちは知っていた。
 
なのにスターシャは守と出来ちゃってんの!!
デスラー可哀想すぎ・・・これは泣ける。
新見も可哀想すぎぃ!!
 
 
脚本も全体的にイマイチ感を拭えない感じでした。
 
総統府にヤマトが突っ込みますけど、これ下手したら森雪死んでますよね?
いや、まあそれは緊迫した状態なので仕方ないにしても、最後総統府に刺さったまま波動砲を撃って、ガミラス人はヤマトに助けられた、ってなるわけですけども、この展開は何とかならなかったのでしょうか。だって極端な話、ヤマトは自分が助かる為に波動砲撃ったわけで。
 
せめて、ヤマトは既にガミラスを離脱しかけていて、自分は助元々かる状況であえてガミラスを助ける、とかそういう話の方が良かったのではないでしょうか。
 
 
他にもコスモ・リバースシステムが雪を助けるのに起動して、「なぜ今動かしたんだ!守!!」って言ってたのにその後何事もなく再起とか・・
驚いたー?みたいな事?
 
こう、ストーリーとキャラクターに一貫性が無いように感じました。
無駄に水着シーン入れてる場合か!!!
 
古代も主役として大した働きをしていない。「ゆきいいいいいいい!」って言ってただけの印象を拭えないんですよねえ。
 
 
 
などど不満ばかり書いてしまいましたが、これはヤマト2199という作品が全体を通してとても完成度の高い作品で、期待して期待して期待しまくってしまったという気持ちの裏返しでもあります。
 
テレビ放送とは違ってささきいさおさん歌うオープニングテーマを劇場で聴けた事はとても良かったですし、やっぱり作画のクオリティも高いですよね。
後半若干作画の質が落ちるシーンもありましたが・・・
 
何より、最後の最後で失速してしまったように感じてしまったとはいえ、半年に渡りクオリティの高いアニメを観賞させて貰って本当にありがたい事です。
 
テレビ版では劇場に間に合わなかったシーンが追加されるかもしれませんし、最終回までは引き続き楽しみに見ていこうと思いますよ。
 
このフィギュア欲しいんだが・・?!

ヤマトガールズコレクション 宇宙戦艦ヤマト2199 山本玲 (パイロットスーツVer.)